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人質 バウ 04/4/13(火) 11:39

人質
 バウ  - 04/4/13(火) 11:39 -

引用なし
   イラクで3人の邦人が人質にとられている。
しかしこれから書くのは彼らのことではない、俺たちのことだ。

この事件が起こって、ネット上には様々な意見が踊っている。
なかでも目立つのは
「彼らは覚悟して行ったんでしょ?」
「危険だといわれてる場所に行くんだから覚悟していくのはあたりまえ。そうじゃないんだとしたら頭んなかお花畑、想像力が足りない」
「覚悟していってるんだから殺されたって文句いえないだろ」
という「意見」、みんな3人の「覚悟」を問うている。

しかしそれは全部俺たち自身に返ってくる「問い」ではないのか?

「行ったら危険だ。日本もテロの標的にされる」といわれる場所に自衛隊を派遣した俺たち。
その時俺たちの代表は
「日本国民はテロと戦う覚悟ができている」
と断言した。

テロとは極論すれば、全人類を人質にして自分たちの要求を通そうとする行為である。
当然テロリストに敵対する(と認定された)勢力の圏内にいる人間ほど、その危険にさらされる確率は高くなる。
だとすれば俺たちはもうすでにやつらの「人質」なのだ。
ただ俺たちは、戦場との距離と一億の人口、その他諸々によって本来もっとあるはずの切迫感が薄められた状況の中にいるだけ。
あの3人の姿は濃縮された俺たち自身。

「自分に万が一のことがあってもテロには屈するな」
というある意味「遺書」を書いてイラクに赴いたジャーナリストがいる。
そして
「遺書も書かずにイラクへ行ったのか、バカが」
とネットの掲示板に書き込む人がいる。
しかし俺たちの代表が「覚悟はできている!」と宣言して一線を踏み越えたとき…
そのとき「遺書」を書いた人が何人いるだろうか?
俺はそんなこと頭をよぎりもしなかったし、今も頭ではわかっているが実際「遺書」なんて書いてない。
まさに脳みそお花畑の想像力の無いバカ、それが俺。そして俺たちの大部分。

「覚悟」していればテロにあって死んだって文句言えないのか?
「覚悟」したことでその人の命はそんなに軽くなるものなのか?
だとしたら俺たちの命の重さとやらは今恐ろしく軽い。
もし国内でテロが起こり多数の人命が失われても
「アメリカなんかの尻馬に乗って慣れないことするからだ。標的にされるなんてハナッから分かってたことだろ?ったく脳みそお花畑の平和ボケが。何人死んだって?『覚悟』の上だろ?自業自得だろ?」
少なくとも、今回のイラク戦争に異を唱え、加担しなかった国の人たちにこう言われても文句言えないくらいに軽い…はずだ。

自衛隊撤退を要求するのも反対するのも、自作自演説を唱えるのも否定するのも、経済的損失がいくらだから国民一人頭いくらの損だと勘定するのも自由にすりゃあいい、と思っていた。
だが
「覚悟して行ったんだろ?なら死んでも文句いうな」
この手の言説には反吐がでた。
そして何で反吐がでるのかわかった。

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