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NIRVANA/Never mind 鎖斗拳 02/4/19(金) 12:30

NIRVANA/Never mind
 鎖斗拳  - 02/4/19(金) 12:30 -

引用なし
   1950年代にロックが産声をあげて以来、その時代を象徴するアーティストが数多く誕生した。しかしその歴史は悲劇的な結末をむかえる事件が多く、それはロックという文化が本来内包しているアンチテーゼゆえと思われる。60年安保とフラワームーブメントが当時多くの若者の支持を集めたが、結局は体制側に吸収されてしまったように、反体制の姿勢を貫くことがどれだけ困難か歴史が証明している。

で、ニルヴァーナである。
90年代初頭に発表されたこの作品、いまや風格すら漂う名作中の名作だが、やはり聴くたびに圧倒される。
不穏な空気感を醸し出す楽曲の数々、この当時は珍しかった静と動が交錯する曲構成、ブッチ・ヴィグとアンディ・ウォレスによる完璧なサウンド・メイキング、そしてなにより圧倒的なカート・コバーンのヴォーカル。彼のどこかしら寂寥感を伴ったメロディとサウンドは、それまで80年代の産業ロックに毒されていた我々に大きな衝撃を与えるとともに、ロックを本来あるべき位置に引き戻したのである。
こんな、決して聴きやすいとはいえない作品が全世界で1000万枚以上のセールスを記録し、シアトルのローカルシーンが一躍脚光を浴び、グランジなる不毛なブームが勃発したが、ニルヴァーナの持つオリジナリティに拮抗できる存在は皆無だった。
思えば後のあの不幸な事件も、この当時の喧騒の中でロックの殉教者的に捉えられているかもしれないが、鋭敏な感性を持った若者がマスと対峙した場合(それも急激に)、その軋轢によって引き裂かれていったというのが真相ではあるまいか。
Never mindは確実にロック史に残る作品だが、それは伝説でも権威でもない。今現在も我々を鼓舞し続けている。

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