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THE ROLLING STONES/Beggars Banquet 鎖斗拳 02/6/13(木) 18:08

THE ROLLING STONES/Beggars Banquet
 鎖斗拳  - 02/6/13(木) 18:08 -

引用なし
   Original Release Date November 1968
Recording Studio Olympic Studios, London
Original Record Label London PS539
Present CD Label Abkco 75392

Track Listing
1 Sympathy For The Devil
2 No Expectations
3 Dear Doctor
4 Parachute Woman
5 Jig-Saw Puzzle
6 Street Fighting Man
7 Prodigal Son
8 Stray Cat Blues
9 Factory Girl
10 Salt Of The Earth

「悪魔を憐れむ歌」のレコーディング風景がフランスのヌーベル・バーグの巨匠ジャン・リュック・ゴダールによって映画化され、「ワン・プラス・ワン」のタイトルで公開される。

ブライアン・ジョーンズはこの作品の発表の翌年、自宅プールで謎の死を遂げる。同年オルタモントの野外コンサートで観客の黒人青年がストーンズの警備をしていたヘルス・エンジェルスに殺害される。

トイレット・スリーブといわれるオリジナル・ジャケットはレター・スリーブといわれるビートルズのホワイト・アルバムを髣髴とさせるジャケットに差し替えられて発売されるが、86年にオリジナル・ジャケットが復刻。今店頭で見かけるのは圧倒的にオリジナル復刻版のほうで、差し替えられたレター・スリーブの方が珍しくなってしまった。

とまあ枚挙に暇がないエピソードの数々。当時のローリング・ストーンズはロックのスキャンダラスな面をまさに体現していた。


1968、この年アメリカではケネディ大統領、マーチン・ルーサー・キング牧師が相次いで暗殺され、西側ではソ連がチェコの「プラハの春」に侵攻、とまさに激動の時代であった。のんきにLOVE&PIECEとは言ってられない状況の中で背徳のロックが再び狼煙を上げたのだ。そういえば日本でも三億円事件が起きたのはこの年。

ビートルズが「サージェント・ペパーズ」から「ホワイト・アルバム」へと自らの音楽性を進化させたことに比べるとストーンズの「サタニック・マジェスティーズ」から「ベガーズ・バンケット」への歩みは全く逆の印象を受ける。進化よりも原点回帰ということだ。しかし、単に初心に帰ったということではなく、それまでの(多分に時代を意識したであろうと思われる)サイケデリック色が完全に払拭され、アメリカ南部的なサウンドを追求したシンプルでレアな仕上がりになっている。さらにこの頃のストーンズが凄いのはシンプルな中にも多分に実験性を含んでいるという点で、それが顕著に現れているのがアルバムトップの「悪魔を憐れむ歌」だ。バンドのリズム・セクションとコンガで参加したガーナ出身のパーカッション奏者ロッキー・ディジョーンによって最先端のグルーヴをつくり出すことに成功している(そういえばこの曲のギター・ソロをクラプトンが弾いているとかいないとかつまらない議論があったっけ)。また名曲「ストリート・ファイティング・マン」(ラモーンズ、RAGE AGAINST THE MACHINEなどがカヴァーしている)におけるドライヴ感溢れる演奏はまさにバンドの絶頂期を感じさせるし、永遠に昇り続けているようなその高揚感は圧巻。イントロのカッコ良さも特筆したい。
名曲揃いのアルバムだが、なんといっても最後の「地の塩」はゴスペルを基調にしたドラマチックな構成で、アルバムを締めくくるにふさわしいだけでなく60年代を締めくくるにふさわしい超名曲。後の「無常の世界」の原型と言われることが多いが、確かに味わいは似ている。
プロデュースは才人ジミー・ミラー。この独特の音作りは20年後のプライマル・スクリームの「スクリーマデリカ」でも健在だった(もっとも肝心の音楽の方はストーンズと違ってダメダメだったけど)。

数々の傑作アルバムをものにした王者ローリング・ストーンズも「エモーショナル・レスキュー」あたりから失速が始まり「スティール・ホイールズ」で力尽きる。思えばあっけない最後であった。彼らが全盛期にプレイしていた「無常の世界」は自らの老後を暗示していたという皮肉な結果につながったわけである。俺としてはロックが死んだのはこのあたり(80年代初頭)だったと思ってるよ。

王者亡き後、次の政権奪取を試みてエアロスミス、ガンズ・アンド・ローゼズといった小姑達が名乗りをあげたが、このへんはW杯に例えるとサポーター程度の存在だから結果的にはだれもシーンを牽引できなかったし、現に今はR&Bって言ったらMISIA(FUCK!)とかがそうなっちゃうんでしょ?

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