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音楽を語るだけではあきたらず、こんなコーナーを作ってしまいました。
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タクシー・ドライバー 鎖斗拳 02/6/10(月) 14:58
 ┣ タクシー・ドライバーその2 鎖斗拳 02/6/11(火) 16:03
 ┗ タクシー・ドライバーその3 バウ 02/7/26(金) 16:24
  ┗ タクシー・ドライバーその4 鎖斗憲 02/7/27(土) 15:37

タクシー・ドライバー
 鎖斗拳  - 02/6/10(月) 14:58 -

引用なし
   STAFF
監督:マーティン・スコセッシ
製作:マイケル・フィリップス/ジュリア・フィリップス
脚本:ポール・シュレイダー
撮影:マイケル・チャップマン
音楽:バーナード・ハーマン

CAST
トラビス・ビックル:ロバート・デ・ニーロ
ベツィ:シビル・シェパード
ウィザード:ピーター・ボイル
アイリス:ジョディ・フォスター
トム:アルバート・ブルックス
スポーツ:ハーベイ・カイテル

1976年度 アメリカ映画


70年代のアメリカにおいてベトナム戦争が及ぼした影響は計り知れないが、今日「地獄の黙示録」、「ディア・ハンター」などの作品においてベトナム戦争がもたらしたものの一端を我々は垣間見ることができる。「タクシー・ドライバー」には戦場の場面は一度もないが、ベトナム帰還兵であるニュー・ヨークのタクシー運転手トラヴィスの姿を通してあの戦争を考えさせてくれるそんな作品である。

ストーリーを紹介するのが目的じゃないので割愛させてもらうが、最後にモヒカン刈りで淡々と殺戮を実行するトラヴィス役のデ・ニーロはやはり出色の出来。その他にも少女売春婦役のジョディ・フォスター(なんと撮影当時13歳)やスコセッジ作品常連のハーベイ・カイテルが麻薬の売人役で怪演。ただなんといってもこの作品で一番輝いているのはヒロインのシビル・シェパードじゃないかと思うのだ。
公開当時は「大都会の暗闇の中で生きるベトナム帰還兵の狂気と暴力」とか「アメリカの暗部と病巣」といったような評価が多かったような気がする。それらの評価はまちがいではないが、決してそれだけの作品ではない。不浄な世界へのいらだちをデ・ニーロはうまく表現しているが、彼が思いを寄せるヒロイン、ベツィに対しての微妙な関係性もこの作品のもうひとつの大きなテーマなのだ。そういう意味では「タクシー・ドライバー」は異形のラヴ・ストーリーと言えるかもしれない。
主人公トラヴィスの行動は破滅にむかって突き進んでいるようでもあり、なにも考えていない出任せのようでもあり、最後の皮肉な結末をむかえるのだが、このへんのスコセッジの演出も過度な思い入れがなく冷徹な視点が感じられる。

スコアを担当したのはヒッチコックの一連の作品で有名な故バーナード・ハーマン。演奏は当時人気のあったサックス奏者トム・スコット。このテーマ曲の流れるオープニングの朝靄の中からタクシーが徐々に姿を現すシーンは本当に素晴らしい。


本作品は1977年度カンヌ映画祭でグランプリを受賞している。

タクシー・ドライバーその2
 鎖斗拳  - 02/6/11(火) 16:03 -

引用なし
   PANTERAの「脳殺」にPOISON IDEAのThe BADGEってカバー曲が入ってるんだけど(たぶんボーナス・トラック)、曲のエンディングの「I Kill You,I Kill You,」というセリフ(SE)はこの映画からのサンプリング。

タクシー・ドライバーその3
 バウ  - 02/7/26(金) 16:24 -

引用なし
   やけに遅いCrossReviewになってしまいましたが「反論は忘れたころにやってくる」というわけで不肖バウいかせていただきます。

いきなりですが、ダメっすよ鎖斗憲さん「タクシードライバー」を「ベトナム戦争後遺症映画」にくくっちゃあ。トラビスが帰還兵なんてきっと「孤独なタクシードライバーが主人公でえ・・・」とストーリーを思いついたスコセッシが「じゃあベトナム帰還兵つー事にしたほうがわかりやすいかなー」とかへたしたら「そのほうが企画通しやすいかなー」とか考えてつけた後付け設定にちがいないっす(断言)。この映画はベトナム戦争なんて関係なく、私らの中にも普通にある闇を描いてる映画だと思うのですよ、だからこそ凄い映画になったと思うのですよ、はい。
あと一番輝いてたのがシビルシェパードというのも「間違い」(再び断言)。あの作品で「輝いてる」という言葉が似合うのは(定説すぎていまさらな気もしますが)ジョディーフォスター以外にはありえんでしょう。
シビルシェパード演じるベツィとのエピソードなんてのは「トラビスってこんな変なやつなんですよー」ということを説明するためにあるだけ。
というわけで「トラビスとベツィのラブストーリー」というのも間違いっす!(三たび断言)。百歩譲ってラブストーリーという切り口でみるとすれば、相手はジョディフォスター演じる売春婦しか考えられまへん。この映画「勇者が悪から姫を助け出してめでたしめでたし」という物語原型を滅茶苦茶皮肉になぞってみせてるとこがミソなのでベツィ−とのラブストーリーと考えちゃうと何がなにやらさっぱりわからなくなってしまいますですよ。

というわけで一句!

タクシードライバー ベトナム戦争とベツィーをキーワードに見ると 浅い映画 (字余り)

タクシー・ドライバーその4
 鎖斗憲  - 02/7/27(土) 15:37 -

引用なし
   なんと!いまさらながら鋭い反論ありがとうございます。同じ作品なのにここまで見方が違うのは興味深い。懐の深い映画だからね。

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